ホルスの片翳

透明なガラスに刻まれた隼の姿は、古代エジプトの天空神ホルスの化身です。
その身体は光を透かしながらも、どこか影を抱き込み、存在の二面性を示しています。

古代エジプトにおいて、ホルスは「太陽」と「月」を両眼に宿し、昼と夜を見守る神とされました。
本作は、その片方の眼差し──すなわち「片翳(かたかげ)」を象り、光と影、守護と不安、誕生と死のあわいに潜む人間の営みを映し出します。

硬質でありながら脆いガラスという素材は、信仰と祈りが持つ儚さをも暗示しています。

  • 作品名:ホルスの片翳
  • 素材:ガラス
  • 寸法:H12.5×W12.5×D5.5cm
  • 重量:600g
  • 制作年:2025年9月
Date : 2025-09-20 Sat.
Author : 加藤 渉
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