竹林で出会った胡麻竹から生まれた灯り「雨垂」

竹林で出会った胡麻竹から生まれた灯り「雨垂」

南青山のギャラリー 白白庵から、うれしいご連絡をいただきました。
6年前に制作した作品「雨垂(あまだれ)」が、オンラインショップを通じてお迎え先が決まったとのことです。

「雨垂」は、その名の通り、静かに落ちる雨の気配をイメージしてつくった灯りです。
細長い竹の内部に光を仕込み、しずくが伝うようなラインをかたちにしています。

素材に使用した竹は、竹林の中で枯れ果て、長い時間、風雨にさらされてきたものです。
時間の経過とともに表面に細かな斑点が現れ、「胡麻竹(ごまだけ)」と呼ばれる独特の表情になります。
その胡麻竹の中から、模様の出方や佇まいのバランスを見ながら一本を選び、丁寧に加工しました。

台座には、建材としても使われる石・トラバーチンを採用しています。
無数の小さな穴や層が特徴的な石で、竹の有機的な表情と合わせることで、
自然がつくった素材同士の対話のようなものを感じてもらえたら、と思いながら組み合わせました。

今回はお届け前に、感謝の気持ちを込めて回路まわりを中心にリフレッシュを行いました。
清掃や配線のチェックやパーツの交換など、6年ぶりに作品と向き合いながら、「この作品はこんな表情だったな」と懐かしくも新鮮な時間でした。

長いあいだ白白庵の空間で大切に扱っていただき、
そしてこの作品を選んでくださった新しい持ち主の方にも、心から感謝いたします。

静かな夜、ふと灯りをともしたときに、竹林に落ちる雨の音を想像していただけたらうれしいです。

« Previous Post