鯱は古来、城郭の屋根に据えられ、火除けと守護の象徴とされてきました。本作はその意匠を、透きとおるガラスで再構成しています。
木材と真鍮の台座は大地の安定を示し、その上に跳ね上がる鯱の姿は、水の力を宿しながら空へと向かう力強さを表しています。透明な素材が生み出す光と影の変化は、鑑賞の場や茶席において静かな存在感を放ちます。